普段からがんの予防などはできるのでしょうか?
塩パンに夢中さん(40代女性)
どうなんでしょう?
全てのがんを予防できるわけではないですが、例えば、喫煙や飲酒、運動不足などが要因のがんは、生活習慣の改善で予防できます。
できるんだ。
他にも、「がんのリスクが高まるウイルスへの感染」が要因のがんは、感染予防や感染自体の治療で予防できますね。(※)
※「肝炎ウイルスが原因となる肝臓がん」など、ウイルスなどへの感染が原因とわかっているがんは、それらの原因を排除することで予防ができます。
なるほど。
日常生活では、禁煙・節酒・食生活、身体活動・適正体重の維持。
この5つに気をつけることで、がんのリスクが男性の場合は43%、
女性の場合は37%低下すると言われています。(※)
※「国立がん研究センター がん情報サービス『科学的根拠に基づくがん予防』」より
生活習慣なら今からでも見直せるよね。
そういうことなんです。この5項目、菅さんはどうですか?
お酒はあんまり飲んでないですね。
食生活なんかも、独身の時に比べたらよくなったでしょ?
全然違うね。こんなにフルーツを食べるとは思ってなかった!
わかるわ〜。
国立がん研究センターの「日本人のためのがん予防法(※)」がネットで閲覧できるので、塩パンに夢中さんには、一度見ていただければと思います。
※「日本人のためのがん予防法」…科学的根拠に根ざしたがん予防ガイドライン
がんの予防に関しては、継続して研究が行われてるだろうしね。
ですね。
「がんの罹患率」と「5年生存率」。
ところで、日本人のがん罹患率が一番高い部位って、どこかわかりますか?
さっき喫煙って言ってたから、肺がん?
実は、男性では前立腺がん。女性では乳がんの罹患者数が多いという結果が出ています。
そうなんだ。
ただ、「5年生存率」は聞いたことありますか?(※)
※5年生存率:がんと診断された人のうち5年後に生存している人の割合。ここでは、日本人全体(* 正確には、性別、生まれた年、および年齢の分布を同じくする日本人集団)で5年後に生存している人の割合に比べてどのくらい低いかを表す「5年相対生存率」で表記
あるね。
それが、男性の前立腺がんが99.1%、女性の乳がんが92.3%なんです。(※)
※「国立がん研究センター がん情報サービス『がん登録・統計』の最新がん統計」より
必ずしも、かかりやすいがん=死に直結するがん、というわけではないのか。
そうなんです。
知らないことをいっぱい知ったら、より興味出てくるね。
知れば知るほど、もっと知りたくなってきますね。
例えば、がん検診に行ってみるのはどうですか?
それって、がんの早期発見のためのやつ?
そう。早期発見して適切な治療を行い、がんによる死亡を減らすことが目的です。
人間ドックでも受けられるんだっけ?
人間ドックなどで受けるがん検診と、各自治体で行われているがん検診があって。
各自治体のがん検診は、いろいろ補助もあります。
意外と知らない「がん検診」。
がん検診にも、部位によって種類があるの?
国が推奨してるがん検診は、5種類ありますね。
対象者の年齢も決まっているので、1回整理してみましょう。
検診はどこで受けられるの?あと、お金がどれぐらいかかるのかも…
がん検診は、市区町村などの自治体から依頼を受けた医療機関で行います。
なので、対象となる年齢・検査を行う場所・費用などは、自治体によって異なります。
そういうものなんだ。
お住まいの自治体の「がん検診相談窓口」に聞いてみるといいと思います。
なるほど。
ちなみに、人間ドックで受けるがん検診は、医療機関や検査機関が提供する医療サービスです。
どういう違いがあるの?
検査方法がいろいろあって、個人の判断で受けるかを決める点と、検査費用が全額自己負担である点が、大きな違いです。
なるほどね。 がん検診もそうだし、がんの予防についても、今からできることって意外にあるね。
そうなんです。ぜひ実践してみてください。
ありがとうございました。
【監修者】
- ・稲葉可奈子:医師/医学博士/産婦人科専門医 (関東中央病院産婦人科勤務)
- ・楚山和司:社会保険労務士 (社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー 所長)