医療保険のように、色々な種類のケガや病気を広くカバーする保険もあるのに、
何故「がん」と診断された時だけ保障される「がん保険」が必要なのでしょうか?
なつみかんさん(50代女性)
これはまずがんについて説明したほうがいいですね。
お願いします。
いま、実は日本人の2人に1人は、一生のうち一度はがんになると言われています。
かなり高いね。
そうなんです。がん罹患者全体のうち20歳から64歳の割合は約25%(※)で、働き盛りの方にとっても他人事じゃないんです。
※国立がん研究センター がん情報サービス「がん登録・統計」2018年がん統計データをもとに算出
結構身近な病気なんやね。
ちなみに、日本人の死亡原因の第1位もがんだと言われています。
なるほど。がんって、どういうところが大変なの?
まずは、治療が長期にわたる可能性があること。
長期にわたる……実際にどれぐらい?
がんの種類や部位、治療方法によっていろんなケースがありますが、例えば、抗がん剤・ホルモン剤治療を受けた患者さんでいうと、およそ42%の人たちが“1年以上の長期治療”を経験されています。
そんなに?しかも、がんってほかの場所に転移したり、治ったと思っても再発する可能性もあるよね?
はい。だから治療がさらに長引く可能性もあります。ただ医療技術も進歩していて、がんの早期発見ができるようになったり、より短期間で行う体に負担が少ない治療も開発されています。
新しい治療法も研究されてるんだ。
だからがん保険も、医療の進歩に合わせて変わってきてるんです。
そういうことか〜
保障日数にも大きな違い。
ここでお悩みに戻りますが、医療保険とがん保険の違いでいうと、例えばがんで入院した時に、“何日まで保険で保障されるか?”にも違いがあるんです。
そんなところにも?
基本的な民間の医療保険だと、1回の入院につき「30日まで」とか「60日まで」とか「120日まで」みたいに、保険金の支払い日数に限度があるのが一般的ですが、がん保険は無制限だったりします。
それなら入院が長引いても……
保険金の支払い日数が無制限なら大丈夫。ほかにも、治療によっては医療費が高額になる場合もあります。
がんの治療も種類多いもんね。
例えば先進医療などは、健康保険などの公的医療保険が適用されず、その技術料は全額自己負担です。
治療費が高額になる場合も、がん保険だったらカバーできる可能性が高いと。がんは、思ってたよりも身近な病気だから、備えが大事やね。
なつみかんさんに知っておいてほしいポイントです。
がん保険には具体的にどういう保障があるんでしょうか?
ヤマさん(30代男性)
ここ気になるよね。
基本的な治療費、例えば診察料や手術料、投薬・注射料、入院料……こういうものには健康保険のような公的医療保険が適用されるんですが。
ですが?
そのうち一定の割合が自己負担になるんです。その自己負担分をがん保険でカバーできます。
なるほど。がんの治療は長期にわたることもあるし、その分自己負担分も高額になる場合がある。だからがん保険に入っておけば安心なのか。
まさに。自己負担分が一定割合と言われても“やっぱり高いな”となる可能性があるので、それをカバーできるがん保険を、ということです。
なるほど。
健康保険が適用されない費用。
がん保険以外でいうと、公的医療保険制度としては「高額療養費制度」という自己負担分を軽減できるという仕組みもあります。
少しでも自己負担分が少なくなったほうがいいよね。
ですね。ただ健康保険が適用できない治療法、例えば「先進医療」のような高額な治療もありますからね。
その場合は?
契約条件によっては、がん保険の保障の範囲です。
さすがに300万円の自己負担は想定外やもんね。それに、ほかにもお金かかるよね?入院中の食事代とか、個室を希望したときの追加の差額のベッド代とか。
治療によっては、脱毛症状や部分的な身体に欠損など、外見に影響が出る場合も。
ウィッグとか必要やもんね。
こういうものには健康保険が適用されないことがあるんです。
そうかぁ……
がん保険では、がんと診断されたときの診断一時金が付いてるものが多いので、そういった「給付金」を使ってカバーすることもできますし、外見ケアに特化した保障をオプションで付けられるがん保険もあります。
なるほどね。ちなみに「給付金」って、他にどんなものがあるの?
がんと診断された時点で、あらかじめまとまった金額が給付されるものだけでなく、例えば入院・通院時、手術時、抗がん剤などの治療時など、治療ごとにあらかじめ定められた保障額が給付されるものもあります。
契約の内容次第で支払われる条件も違うということやね。
そうなんですよ。
どう選ぶか迷いそう。年齢や健康状態、その人の考え方によっても必要な保障内容って変わってくるし、これが正解っていう選び方ってないんやろうね。
治療法によって治療費も異なりますし、そのためにがん保険にはいろんな保障がありますが、アフラックのがん保険にも、がんに関する治療費に加え、治療関連費も幅広くまとめてカバーする保険がありますよ。
がん保険って、いろんなことを想定して設計されてるんやね。
はい。出費も含めて起こり得るリスクについて考えることは大事ですが、実際にがんになってみないと、どんな備えが必要になるかわからないですし。
がんになった時、必要ながん治療を保障できない契約になっていたら本末転倒やしね。
そういう意味では、がん保険は、幅広くがん治療にまつわる保障をしてくれる方が安心かもしれません。
ありがとうございました。
【監修者】
- ・稲葉可奈子:医師/医学博士/産婦人科専門医 (関東中央病院産婦人科勤務)
- ・楚山和司:社会保険労務士 (社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー 所長)