保険の内容をしっかりと吟味して加入したとしても、生活環境の変化に伴って保険を考え直す必要が生じる場合もあります。家族が増えてもっと大きな保障が必要になったり、新しい保険商品が登場してそちらのほうが適切だと判断したり、理由はさまざまでしょう。そのような場合に保険を1度解約する可能性があるかもしれません。保険を契約期間の途中で解約したときに支払われるのが「解約払戻金」です。
解約払戻金には3つの型があり、自身の保険の解約払戻金がどの型に当てはまるのかはしっかり確認しなければなりません。解約払戻金がどのような計算で戻ってくるのか?いつ戻ってくるのか?などについて考えてみましょう。
解約払戻金については、次のような特徴があるものだと捉えておきましょう。
終身保険、養老保険、学資保険など、保険期間が長い保険や貯蓄性のある保険には、解約払戻金があります。しかし、同じ死亡保障のための保険でも終身保険より保険料の負担が軽い定期保険、病気やケガでの入院や通院に備える医療保険などといった「備えるため」の保険には、解約払戻金は、ないか、あってもごくわずかです。
貯蓄性のある保険も「保障部分」と「貯蓄部分」がありますが、この貯蓄部分が原則として、解約払戻金となります。ただし、貯蓄部分であっても運用経費などが引かれるため、全額が戻るわけではありません。
貯蓄部分は保険会社によって運用されるため、その運用期間が長いほど、一般的には解約払戻金も多いということになります。また、貯蓄性のある保険の場合、支払った保険料を下回らない(元本割れしない)のは、払込期間が満了後のケースが多いため、途中解約をできるだけしないことが重要です。
解約払戻金には3つの型があります。解約払戻金がどの型になるのかは、保険を契約する際にきちんと確認しましょう。
払戻率(返戻率)の計算によって算出されるものです。払戻率とは「支払った保険料に対し、いくらの解約払戻金を受け取ることができるか」ということを表したものです。払戻率は保険商品によって異なるため、契約前に確認しましょう。
保険にもよりますが、通常の解約払戻金の70%程度が戻る型です。保険料払込期間中の解約払戻金が通常より低くなっている分、保険料払込期間満了後は解約払戻金の払戻率が良くなるのが一般的です。そのため、最近では、学資保険の代わりとして加入する方も多くなっているようです。
解約払戻金をなくす代わりに、保険料を安くする型で、いわゆる「かけ捨て」と呼ばれるタイプの保険です。
支払った保険料の総額より解約払戻金が多かった場合、その差額に対して税金がかかります。解約払戻金を一時金として受け取った場合には、「一時所得」(営利目的でない所得)として所得税の対象となります。そのうち50万円は控除され、その残りの額の半分に対して所得税率をかけた金額が支払う税金の金額です。解約払戻金と支払った保険料との差が50万円を超えない場合には、所得税は発生しません。
{(解約払戻金-保険料総額)-50万円}÷2
解約払戻金の一般的な手続きは以下のとおりです。
保険を選ぶ際、解約払戻金について確認するのは非常に重要なことです。しかし、「解約払戻金があるかないか・多いか少ないか」で保険を選ぶことは、保険の目的を見失うことにもなりかねません。解約払戻金をなくすことにより、少ない保険料でより充実した保障のある保険も非常にたくさんあります。
また、保険に加入して短期間で解約をした場合、多くの払戻金を受け取れる可能性は非常に少なく、損をしないためには解約をしない前提で保険を選ぶことが重要です。そのためにも、自分の将来を見据え、さまざまなパターンに対応できる保険を選ぶことや、解約はせずに部分的な保障の見直しを行うことなども考えてみましょう。保険を考えることは人生そのものを考えることでもあります。
(2016年4月作成)
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