DX@Aflac
当社は、コアバリューに基づくDX推進により、「生きるための保険」のリーダーとして、お客様にとって価値ある商品・サービスの提供をデジタルテクノロジーで実現していきます。また、生命保険事業以外の新たな領域においてもデジタルテクノロジーを活用し、保険を超えた顧客価値を創造します。
そして、こうした取り組みを通し、「生きる」を創るリーディングカンパニーとして、さらなる企業価値の向上を実現していきます。
DX@Aflacの全体像
組織
人財
- 1.既存の業界のビジネスとAI(生成AIを含む)やビッグデータ、IoTなどといった先進的なテクノロジーを結びつけて生まれた新たな製品やサービス、またはその取り組みを指す。
- 2.ユーザーインターフェイス(利用者接点)、ユーザーエクスペリエンス(利用者体験)の略。顧客がサービスを目にし、手に触れることで得られる体験の総称のこと。
- 3.企業内のさまざまなファーストパーティーデータをセカンドパーティー(協業先の組織)やサードパーティー(協業先以外の外部組織)のデータと掛け合わせ、新たなビジネスモデルや収益モデルを創出すべく形成するステークホルダーの集合体を指す。
- 4.新たなIT技術を用いることにより、効率化や自動化された業務運用環境のこと。
- 5.ITシステムの構造のこと。柔軟でシンプルな構造にすることで、サービスの拡充が容易で迅速になり、肥大化するシステム開発費も抑えることが可能。
DX@Aflacの取り組み事例
DXの目指す姿 ~リアルとデジタルの融合~
DX推進においては、リアルとデジタルの融合に重点を置いています。すべてのお客様接点において、リアルとデジタルが融合した環境で、一貫性を持った体験価値をお客様へ提供し、感動的なユーザー体験を創出することを目指しています。
クラウド型デジタルサービスプラットフォーム「ADaaS/Aflac Digital as a Service」の提供
デジタルを活用した営業活動やその他の業務をサポートし、お客様に新たな体験価値を提供するため、2022年から「ADaaS/Aflac Digital as a Service」という当社独自のクラウド型デジタルサービスを提供しています。これはお客様、販売代理店、ビジネスパートナーなど各ステークホルダーを一つのプラットフォーム上で連携させるサービスで、利用者がサービスメニューの中からご希望のサービスだけを選択して利用することができます。より多くのお客様への新たな体験価値の提供を目指し、全社で展開を推進しています。
- アフラックミラー*(自宅用)
お客様の日々の生活に寄り添い、QOLの向上や顧客ロイヤルティの向上を図ることを目的に、2022年12月よりお客様のご自宅で利用いただく「アフラックミラー」の提供を開始しました。
スタートアップ企業が開発した鏡型のIoT機器に、当社が保険・健康に関連するコンテンツを提供しています。鏡を見るという日常的な行為を通じて、顔の表面温度、脈拍等を数値化し、どのような運動をすることが望ましいかの目安を確認したり、健康増進のためのエクササイズ動画などを楽しんだりすることができます。
また、当社はアフラックミラーへ保険や健康に関するアプリケーションを提供することで、自治体における社会的課題の解決にも貢献していきます。- *アフラックミラーは、当社と取引のあるスタートアップ企業が開発・提供するものです。
- アフラックミラー*(店舗用)
販売代理店の店頭に来られるお客様へ新たな顧客体験を提供し、コミュニケーションのきっかけをつくったり、保険や健康に関心をもっていただいたりすることを目的に、店舗用の「アフラックミラー」を提供しています。
これは自宅用の「アフラックミラー」同様、スタートアップ企業が開発したIoT機器に、当社が保険・健康に関連するコンテンツを提供するものです。保険料シミュレーション、ジェスチャーゲームやクイズ、またAIを活用した肌診断など、大人も子どもも楽しめるさまざまなコンテンツを搭載し、お客様に楽しんでいただきながら募集人とのコミュニケーションのきっかけを創出します。- *アフラックミラーは、当社と取引のあるスタートアップ企業が開発・提供するものです。
- AR*1サービス(商品紹介/自己紹介)
保険相談のきっかけやお客様との接点を創出することを目的に、ARを活用した「ARサービス(商品紹介/自己紹介)」を提供しています。お客様は、チラシや名刺、メール等にある二次元コード(QRコード®*2)を読み取ることで、AR技術を使ったサービスにアクセスし、視覚的、直感的にわかりやすい3Dコンテンツを見ることができます。これによりお客様は、動画や音声によって保険商品の情報を知ることができたり、募集人の自己紹介を受けて、募集人のことをより鮮明に覚えていただいたりすることができます。
- *1仮想空間の情報やコンテンツを現実世界に重ね合わせて表示することにより、現実を拡張する技術。
- *2QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標。
- XR*1デバイス*2(VR*3ゴーグル/AR*4グラス)
お客様にがんやがん検診、介護のことを考えるきっかけにしていただくことを目的に、VRやARを活用した「XRデバイス(VRゴーグル/ARグラス)」を提供しています。視覚的、直感的にわかりやすい3Dコンテンツで、体内の探検やクイズ、がんに関する授業を体験したり、介護を受ける方の食事を疑似体験したりすることができ、がんの「早期発見・早期治療」の大切さや、介護に関する理解を深めていただくことができます。
- *1現実世界と仮想世界を融合することで、現実にはないものを知覚できる技術の総称。
- *22023年3月時点で利用している機器の製造・販売元:Meta Platforms, Inc./Nreal Ltd.
- *3視界を覆う没入型のゴーグル等を用い、デジタル映像の世界に入り込むことが出来る技術。
- *4仮想空間の情報やコンテンツを現実世界に重ね合わせて表示することにより、現実を拡張する技術。
データ利活用の取り組み
当社は、CRISP-DM(Cross-Industry-Standard Process for Data Mining)というデータ分析モデルに基づき、多様なユースケース(データ活用案)を定義し、お客様のニーズを総合的に勘案しながら、データ活用を推進しています。
- お客様へのご提案の高度化
お客様への新商品や保障最新化等のご提案に、AIで構築した予測モデルを適用しています。具体的には、現在のご契約に関する情報などをもとにお客様ごとに最適なご提案内容、ご連絡の手段、時間帯をAIで推定し、販売代理店に情報提供することで、お客様にとって最適なタイミング・手段によるご提案を行っています。
- 幅広いお客様にご加入いただける商品の開発
ご契約に関するさまざまな情報をAIで解析し、新しい商品の開発に役立てています。具体的には、過去の給付金のお支払い実績を多様な要素に分解し、AIで詳細に解析することにより、これまでの保険のお引受け範囲を最適化し、より多くのお客様にご加入いただける商品の開発に取り組んでいます。
- 生成AIの導入
生成AIについては、当社のビジネス変革やDX推進に活用するために導入しています。導入においては、当社におけるデータの利活用やDX推進に影響するAIの活用・規制に関する国内外の動向や日本政府が進めているデジタル市場のルール整備の状況を注視し、かつ、グローバルポリシーとの整合性を確保しながら、情報漏えい、個人情報の不適正利用、誤情報に基づく不適切な判断、権利の侵害、レピュテーションリスクなどのリスクを適切にコントロールし、攻めと守りの両輪で推進を加速させています。
UI/UX(顧客体験)の進化の取り組み
当社では、リアルとデジタルが融合した現在のあらゆるお客様接点において、アジャイル型のUXプロセス改善を推進し、感動的なユーザー体験を提供します。具体的には、UXリサーチを通してお客様の潜在的なニーズと課題を把握し、課題解決のためのUI/UXを構築、検証・改善するPDCAを回すことで顧客体験を向上させます。
また、最新のデジタルテクノロジーやオープンイノベーションの活用において、デザイン思考を用いた顧客視点のイノベーションを推進し、新たな顧客接点の創出にも取り組んでいます。
DX人財の育成
当社のあらゆる業務領域においてDXを推進していくことが求められています。そのためには、テクノロジーの知識を有し、ビジネスに変革をもたらすことができるDX人財を増やし、その質を向上させる必要があります。
2024年末までに全社員の約3割をDX人財とすることを目指し、「DX人財育成プログラム」を2022年4月から全社的な活動として開始しました。2023年は約500名のDX人財認定に向けて育成しています。
また、DX人財が継続的に学んだスキルを発揮し、お客様視点を持って主体的に業務遂行できる環境を整備しています。
- DX人財の目指す姿
当社ではDX人財をテクノロジーとデータを使いこなす「テック人財」と、ビジネスとテクノロジーの双方を理解してDXを推進する「ハイブリッド人財」に分類しています。これは、当社の事業内容を考慮したうえで、DX人財として要求される能力や役割を分析、再定義したものです。それぞれが自身の役割を理解して強みを活かし、一体となって業務に取り組むことで、事業環境の変化へ柔軟に対応することを目指します。
DX人財育成プログラムでは、データアンバサダーをはじめとする17種類の「ケイパビリティ*」を定義しています。社員は自らの業務に必要なケイパビリティを選択し、育成プログラムを通じて必要なスキルを習得して、実務に活かしています。- *DX人財として活躍するために必要なDX観点の能力/特性を示すもの。
デジタルサービスを通じた社会的課題の解決を目指して
アフラックデジタルサービス株式会社(旧 Hatch Insight株式会社)は、2023年4月にアフラック生命保険株式会社の完全子会社となり、これまでHatch Insight株式会社で行っていた「共通IDの発行・管理事業」と「データ分析事業」に加えて、「DXサービスの企画・開発・販売事業」を展開しています。
同社は、社会的課題を解決することを目指し、地方自治体や他企業などのさまざまなステークホルダーへ幅広くデジタルサービスを提供することで、新たな価値を創出していきます。
保険契約管理業務に係る抜本的再構築(プロジェクトZERO)
保険契約管理業務の抜本的再構築では、「感動的なユーザー体験の創出」「事業費の大幅な削減」「業務継続能力の向上」を目的に、 保険契約管理業務のプロセスをゼロベースで再検討し、DXを最大限に取り入れてデジタル化・自動化を行います。
これにより、業務量が増加しても事業費が比例して増加しない筋肉質な業務構造の実現を目指し、2023年から活動を開始しています。
システム開発基盤を抜本的に変革し、柔軟・迅速・低コストなシステム開発を実現
当社を取り巻く環境変化に合わせ、新たな商品・サービスをお客様やビジネスパートナーに対して、柔軟、迅速、かつ低コストで提供するために、現在のシステム構造を変革し、IT・インフラ基盤を再構築する取り組みを、2022年より開始しています。
この取り組みにより、システムの開発や運用にかかる負荷を大幅に削減し、IT人財やリソースを攻めのITへ集中させることで、新たな商品・サービスの提供を強化していきます。
- システム開発基盤の変革
当社が「DX@Aflac」を推進していくためには、日々の業務を支える基幹システムの柔軟性や拡張性が重要になります。この実現に向け、複雑化したシステムを分析して無駄のないシンプルな構造に修正する、新たなサービスのシステム開発を容易にするツールを導入する、といったシステム開発基盤変革の計画を策定し、実行しています。
- 最新のクラウドサービスの活用推進
近年のクラウドサービスの発展を背景に、システム基盤やネットワーク環境についてクラウドサービスの活用を推進しています。これにより、迅速なDX案件の立ち上げや、システムの調達・運用コストの削減を実現しています。