持続的成長と中長期的な企業価値向上を支える人財マネジメント戦略
超VUCAと呼ばれる予測困難な時代においても、お客様に新たな価値を提供し、CSV経営を実践しながら企業として成長を続けていくためには、変化に機動的かつ柔軟に対応していく必要があります。そのためには、多様な属性や価値観をもった人財が、自ら考え、一人ひとりが主体的に行動することが求められます。
当社は、創業以来「人財を大切にするコアバリュー」のもと、人財を軸に据えた経営を行っており、人財こそが戦略策定・実行の柱であることを強く打ち出しています。人財マネジメント戦略を通じ、組織カ・人財力を高めていくことにより、アフラックの持続的成長と中長期的な企業価値の向上を実現していきます。
人財を大切にするコアバリュー
当社には、1955年の米国での創業以来脈々と受け継がれてきた「人財を大切にすれば、人財が効果的に業務を成し遂げる」という人財マネジメントにおけるすべての基本となる考え方があります。“会社は、すべての人財に対し、持てる能力を存分に発揮してもらうための環境やキャリア形成の機会を等しく提供する。そして、当社のパーパス(存在意義)やコアバリューに基づくCSV経営に共感し、貢献意欲・成長意欲のある人財が、環境や機会を活かして主体的にチャンスをつかみ、会社とのWin-Winの関係を実現していく。”こうした考え方が「人財を大切にするコアバリュー」です。当社はこの考え方のもと、人財マネジメント戦略を策定し、さまざまな制度、仕組みを整備・実行しています。
人財マネジメント戦略
当社は、中期経営戦略・経営戦術を実行する主体は人財であるという考えのもと、人財マネジメント戦略を策定しています。人財マネジメント戦略を通じて、人財マネジメント制度で目指した理念(多様な人財が自律的に働き、最大限に力を発揮する)を結実させることで、組織カ・人財力を高め、長期経営ビジョンの達成を確実なものとしていきます。
そのために、「人財エンゲージメントの強化」を核に、さまざまな制度や施策が統合的に機能するよう体系化した「人財マネジメントの戦略マップ」を定め、人財マネジメント戦略を実行しています。
人財エンゲージメントの強化
人財マネジメント戦略の核を成すのは「人財エンゲージメントの強化」です。当社では、「人財エンゲージメント」を、“所属する組織と自身の仕事に熱意を持って、自律的に貢献しようとする人財の意欲”と定義し、これを最大限引き出すことが持続的成長と中長期的な企業価値の向上のために重要と考えています。この人財エンゲージメントの強化に向け、当社のパーパスやコアバリューに基づくCSV経営に対する人財一人ひとりの共感・貢献意欲を引き出す「人財マネジメントの強化」と、人財が効果的・効率的に業務を行えるよう最適な環境を構築する「社員を活かす環境の実現」の両輪でさまざまな取り組みを実施し、相乗効果を高めています。さらに、ガバナンスやモニタリング態勢を構築することにより、戦略の実行性・実効性を確保しています。
人財エンゲージメントスコア
当社では、中期経営戦略(2022~2024年)における非財務面の主要目標の1つに、人財エンゲージメントの状況を表す指標として、「人財エンゲージメントスコア」を設定しています。スコアの測定には、主に大手企業を対象に実施され、グローバルでの他社比較が可能な「エンゲージメントサーベイ」を用いています。エンゲージメントサーベイは「社員エンゲージメント」と「社員を活かす環境」の2つのカテゴリーで構成されており、それらの肯定的回答率(設問に対し「非常にそう思う」「そう思う」と回答した社員の割合)の平均値を「人財エンゲージメントスコア」と定義しています。2021年から2023年までの当社の水準は、いずれも日本平均(サーベイに参加した日本企業の平均値)を上回るスコアとなっており、2024年に、世界水準相当(全社員の2/3以上が肯定的な回答をしている状態)となる目標の達成に向け、着実に推移しています。毎年実施するエンゲージメントサーベイの結果を踏まえ、適切なPDCAを実践していくことを通じて、人財エンゲージメントの強化を図っていきます。
人財マネジメントの強化
当社のパーパスやコアバリューに対する人財一人ひとりの共感・貢献意欲を引き出し、主体的なキャリア形成や能力開発を実現するために、人財マネジメント制度やさまざまな仕組みを導入しています。
トータルリワード
高い目標へのチャレンジや成長への貢献意欲を高めるために、金銭的リワードと非金銭的リワードを組み合わせて貢献に報いる「トータルリワード」の考え方で、報酬を設計しています。
金銭的リワードは、“職務”と“成果”に報いる報酬体系(Pay for Job, Pay for Performance)をベースにしています。職務記述書で明文化された職務の内容・大きさをもとに決定するグレード(職務等級)ごとに、日系大手企業をベンチマークに競争力のある報酬水準を実現しています。また、実際に転勤した場合に、その負担に報いる「転勤手当」や、中長期的な貢献・功労に報いるために、従業員持株会制度や、一定以上のグレードの社員に対する中長期インセンティブの付与などの仕組みもあります。
非金銭的リワードには、当社のコアバリューに基づくCSV経営への共感や、チャレンジングなアサインメントなどやりがいのある仕事の提供、人財育成プログラムをはじめとしたキャリア形成支援、健康経営や「がん・傷病就労支援プログラム」などを通じた安心・安全な環境の提供があります。
この二つのリワードを組み合わせた「トータルリワード」が重要であるとの考えのもと、短中長期的な視点で、社員の会社への貢献に報いています。
職務等級制度
職務等級制度とは、“職務の大きさ”をもとにグレードを定め、グレードに応じた処遇を実現する制度です。当社は、「社歴・年齢・性別に関係なく、意欲と能力のある人財が、自律的に働き、最大限に力を発揮しながら、主体的にキャリアを構築できる環境を実現する」ことを理念とし、職務等級制度を基軸とした人財マネジメント制度を導入しています。当社では、この人財マネジメント制度のもと、真にパフォーマンス志向で人財を配置・登用する“適所適財”を実現しています。
職務記述書
一般社員も含めたすべてのポストに対して、職務の内容を明文化した職務記述書を作成し、全社に公開しています。職務記述書には、職務の内容だけでなく、必要な経験、能力、公的資格なども明記されています。社員はそれをもとに、目指すポストやキャリアプランを明確化し、能力開発や自己啓発などの具体的な活動を通じて、自身のキャリアを創っていくことができます。職務記述書は、人財マネジメント制度の根幹を成し、主体的なキャリア形成の基盤となっているだけではなく、採用、人事評価、人財育成、異動配置など、人財マネジメントのあらゆる場面でも活用されています。職務記述書の数は約1,600にのぼりますが、職務内容に変更が生じるたびにタイムリーに見直しを行い、常にすべての職務記述書を最新化し公開することで、人財マネジメント制度が適切に実践される態勢を整えています。
評価制度
年功的な意識を払拭し、真にパフォーマンス志向で活躍する人財を評価することが重要という考えのもと、社員の頑張りや貢献に、より直接的に報いる評価制度を設計しています。評価制度は「行動評価」と「業績貢献評価」で構成されています。
タレントマネジメント
人財マネジメント制度をもとに、多様な属性や価値観を持つ人財が自律的に働き、それぞれの強みを活かし、能力を最大限発揮できるように、効果的な人財マネジメントを実践しています。
部門型人財マネジメント
中期経営戦略・経営戦術を機動的かつ柔軟に実行していくために、各部門を統括する統括担当役員に人財マネジメントに関する権限を委譲し、統括担当役員のリーダーシップのもと、人財の適切な配置や計画的な育成を行っていく「部門型人財マネジメント」を導入しています。この部門型人財マネジメントのもと、人財と丁寧に向き合い、キャリア開発と能力開発を強力に推進することに取り組んでいます。人財戦略部*は、専門的知見やデジタルテクノロジーを活用して、全社最適の視点で部門主導の人財マネジメントを支援するとともに、全社横串を刺した人財マネジメントの高度化に取り組んでいます。
- *人財戦略第一部・人財戦略第二部を指す
- 人財エンゲージメントプラン
人財の力を最大限引き出すためには、部門型人財マネジメントの高度化が求められます。そのために、各部門はエンゲージメントサーベイの結果の分析などを通じ、自部門の人財マネジメントの本質的な課題の抽出を行い、「人財エンゲージメントプラン」として対策を策定・実行しています。人財エンゲージメントプランは、「人財エンゲージメントの強化」「人財育成の強化」「アフラックWork SMARTの推進」「コアバリューに基づくプリンシプルベースでの判断と『3つの責任』の実践」「ダイバーシティ&インクルージョン推進」の5つの取り組みが包括されており、各取り組みを連携させることで相乗効果を高めるようにしています。人財戦略部は、全社的かつ専門的な観点から、各部門の人財エンゲージメントプランの実行性・実効性を確保するための取り組みを行っています。
リーダーシップ・パイプラインの強化
当社の持続的な成長を支えるために、計画的に次世代を育て、将来に向けたリーダーシップ・パイプラインを強化することに努めています。その一環として、“リーダーが次のリーダーを育成する”ことを、行動評価の評価項目にも定め、すべての部門・階層で、次世代育成が意欲的に実践される環境を構築しています。
人財育成プログラムの全体像
“自分を創る。未来を創る。”というタグラインのもと、さまざまな人財育成プログラムを整備しています。このタグラインには、「自らの成長を通じて“自分を創り”、個々人の成長が会社の“未来を創る”ことにより、アフラックの持続的成長を実現させる」という意味を込めています。人財育成プログラムは、全社共通で実施するプログラム、部門型人財マネジメントのもと各部門で実施するプログラム、CDPに基づく個人に合わせたプログラムを組み合わせて設計されています。
全社共通の育成プログラム
全社員に共通して求められる、コアバリューの理解深耕、キャリア自律促進に向けた取り組みなどは、人財戦略部が主体となり、人財育成プログラムを設計・実施しています。
各部門主導の育成プログラム
部門型人財マネジメントのもと、各部門の戦略実現のために必要となる専門性の向上や、実務的なスキルや能力の習得に向け、各部門でも人財育成プログラムを実施しています。
主体的なキャリア形成支援
人財マネジメント制度の理念にある「社員の主体的なキャリア形成」を支援するために、一人ひとりの能力開発や多様なニーズに対応するためのさまざまな制度や仕組みを整えています。
- 能力開発計画書(3CDP)
職務記述書をベースに、意欲ある社員は3CDPを作成し、それをもとに上司と対話しながら、社員一人ひとりが目指すキャリアや能力のギャップを明確化し、具体的な能力開発のための取り組みを進めていきます。このように能力開発のプロセスを回していくことを「ラーニング・ジャーニー」と呼んでいます。
ラーニング・ジャーニーがより有効に機能するように、3CDP策定のガイドやノウハウを整理した「3CDPプレイブック」の公開や、「キャリアデザイン研修」を実施しています。
3CDPの作成は任意ですが、作成済みもしくは作成意欲ありと回答した社員は90%を超えており、多くの社員が主体的に自身のキャリア形成に向き合っています。一方で作成意欲はあるものの作成が完了していない社員も40%程度存在していることから、社員の声を踏まえつつ、引き続き主体的なキャリア形成の実現に向けた支援を継続していきます。 - Aflac Cafe(自己啓発支援金)
社員一人ひとりの主体的で多様な能力開発ニーズを支援するために、社員に年間5万円まで自由に使える自己啓発支援金を支給しています。Aflac Cafeは、ビジネススクール、セミナー、資格試験の受験料など、さまざまなシーンで活用されています。CDPを策定し、自己研鑽に取り組む社員に対しては、「Aflac Cafeプレミアムファンド」を上乗せしています。これにより、意欲のある社員は、最大で年間10万円の自己啓発のためのファンドを活用できます。
2021年に現在の制度を導入後、主体的なキャリア形成の意識醸成や、研修メニューの増加にともない、2023年は利用者数が前年比約20%増加し、主体的な学びに役立てられています。 - ジョブ・ポスティング(社内公募制度)
主体的なキャリア形成を支援する制度として、希望する部署やポストに自ら手を挙げて異動することができる「ジョブ・ポスティング」を導入しています。
当社ではジョブ・ポスティングを20年以上前から導入していますが、2021年に現在の制度を導入したことに伴い拡充し、支社長や課長などの管理職ポストや上位グレードヘの挑戦を可能としています。その結果、2021年以降、延べ約1,600人がジョブ・ポスティングに応募し、約530人が実際に新たなキャリアにチャレンジするなど、多くの社員に活用される制度となっています。 - キャリアEXPO
「キャリアEXPO」は、社員が自らのキャリアプランを検討するために、他部署の仕事内容の実態を詳しく知ることができる社内説明会です。各部署のミッションや職務内容、求める人財像、習得できるスキルや能力などについて、各部署の社員が直接説明を行います。 - プラス・キャリア制度*(副業)
2023年1月から、全社員を対象に副業を認める「プラス・キャリア制度」を導入しています。当社と異なる業務経験や、社外の知見に触れることを通じ、社員のキャリア形成支援やイノベーション企業文化の醸成、人財エンゲージメントの強化を実現することを目的としています。- *副業が自身のキャリア形成や成長に資するプラスアルファとなることを企図した名称
- WING制度*(新卒採用の初期配属先確約制度)
当社では、初期配属先を確約する「WING制度」を導入しています。入社前からチャレンジしたい領域が明確に決まっており、かつ希望部署の受入ニーズと合致する新卒入社希望者に対して、入社時の配属部署を確約する制度で、2024年4月入社の新卒社員のうち約15%が本制度を活用しています。
- *自身の描くキャリアに向けて羽ばたいてほしいという想いと、アフラックダックの翼を掛け合わせた名称
社員を活かす環境の実現
人財エンゲージメントの強化に向け、人財が効果的・効率的に業務を行えるよう、「社員を活かす環境の実現」にも取り組んでいます。
アフラックWorkSMARTの推進
当社は、2015年よりアフラック Work SMARTを推進しています。社員一人ひとりが仕事の進め方を見直すとともに、「時間」と「場所」に捉われない働き方の実現に向けた制度・インフラの整備により、社員のワークライフ・マネジメントを支援し、組織としてのパフォーマンスを最大化させることを目指しています。
オフィスワークとリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークの戦略的活用
当社は、組織成果の最大化と人財エンゲージメントの強化を実現するために、「部門型人財マネジメントにおける戦略的ハイブリッドワーク」のプリンシプルを策定しています。部門型人財マネジメントのもと、業務や部門の特性を踏まえながら、オフィスワークとリモートワークを最適に組み合わせた「アフラック流の戦略的なハイブリッドワーク」を実践しています。
オフィスワークとリモートワークの「4つの価値」
オフィスの位置付けが「単に仕事をする場」から「多様な人財が交流し、人財エンゲージメントを強化し、組織パフォーマンスを最大化する場」へと進化するなか、当社では、オフィスーワークの「4つの価値」を「エンゲージメント」「コラボレーション」「ネットワーキング」「ラーニング」と定義し、ファシリティマネジメント戦略に活かしています。また、リモートワークの「4つの価値」を「集中作業(フォーカス)」「情報共有」「ワークライフ・マネジメント」「事業継続」と定義し、効果的・効率的な業務の実践による生産性の向上や人財エンゲージメントの強化につなげています。
働き方サーベイ
「部門型人財マネジメントにおける戦略的ハイブリッドワーク」のプリンシプルのもと、ハイブリッドワークが効果的に実践できているかをモニタリングするため「働き方サーベイ」を毎年実施しています。「働き方サーベイ」の結果は、人財マネジメント政策委員会及び各部門に共有され、組織やチームのマネジメントに活かされています。
健康経営の推進
当社は、2016年12月に「アフラック健康経営宣言」を制定し、社員がいきいきと働く会社の実現に向け積極的に取り組んできました。2022年3月からは「健康経営2024」として、2万社以上の企業の健康ビッグデータを分析して当社社員の健康上の課題や強化領域を特定し、経済産業省の「健康投資管理会計ガイドライン」に基づく「健康経営2024戦略マップ」を定め、より戦略的な取り組みへと発展させています。
がん・傷病 就労支援プログラム
当社は「がんに苦しむ人々を経済的苦難から救いたい」という創業の想いからスタートし、「『生きる』を創る。」というブランドプロミスを掲げています。「アフラック健康経営宣言」のもと、社員が「がんや病気に罹っても安心して自分らしく働く」ことを支援するために、2018年から「がん・傷病就労支援プログラム」を整備し、3つの柱を掲げて取り組んでいます。
E.A.Week*
E.A.Weekとは、経営陣が社員の日頃の努力や貢献に対して「感謝」の気持ちを伝えることを目的とした、日米両国で開催する当社独自のイベントです。人財を大切にするコアバリューのもと、日本における創業記念日である11月15日を含む1週間に、マネジメントチームからのメッセージや家族職場見学会など、さまざまなイベントを実施しています。
- *Employee Appreciation Weekの略称
人財マネジメント戦略の実行性・実効性を確保する仕組み
人財マネジメント戦略の実行性・実効性を確保するために、さまざまな仕組みを整備しています。これらの仕組みにより、人財マネジメント上の課題を早期に把握し、継続した改善を行うPDCAを回しています。
代表取締役社長をトップとする「人財マネジメント政策委員会」によるモニタリング
人財マネジメントに関する政策を議論するガバナンス機関として、代表取締役社長を委員長とし、各部門を統括する統括担当役員により構成される人財マネジメント政策委員会を設け、隔週で開催しています。2023年は22回開催し、新たな政策課題だけではなく、部門型人財マネジメントや各種制度の運用状況、人財戦略部による各部門への支援状況について、データドリブンで定量的にモニタリングを行い、課題があれば機動的・継続的に改善しています。
人財エンゲージメントの強化に向けたPDCAサイクル
エンゲージメントサーベイ
全社の人財エンゲージメントの状況や組織の課題を把握するために、全社員が会社・自組織について回答するエンゲージメントサーベイを毎年実施しています。他社比較による客観的な当社のポジションを把握するため、エンゲージメントサーベイの設問は、グローバル共通の外部指標を活用しています。さらに、当社が全社的に推進している取り組みのPDCAを回すために、コアバリューへの共感や、アフラックWork SMART、部門型人材マネジメントの実行状況に関する独自の設問も設けています。
エンゲージメントサーベイの結果は、人財マネジメント政策委員会だけではなく、部門主導の人財マネジメントの高度化に活かすことを目的に、各部門の役員や部長にも共有しています。サーベイ結果をさまざまな切り口で確認するために構築されたダッシュボードや、活用方法に関する説明会の実施などを通じて、各部門の役員や部長は、各部門・部署における組織力・人財力の強化に役立てています。
ポジションアセスメント(360度評価)
役員、管理職、一般社員のリーダー層まで、幅広い社員を対象にポジションアセスメント(360度評価)を実施しています(2023年の評価対象者は1,874人)。評価項目は、リーダー個人のマネジメントやリーダーシップの状況、人財エンゲージメントの強化に向けた取り組み状況など多岐にわたります。適切な評価を行うために、回答者となる上司・同僚・部下には事前にトレーニングを実施しています。また、結果のフィードバックに際しては、上司と被評価者本人が必ず対話を行うこととしており、定量結果と上司のみに開示される定性コメントをもとに、強み・啓発点の確認や課題の特定を行い、育成のために活用しています。
りあろぐ*(人財戦略部の担当役員等による一般社員との座談会)
人財マネジメント制度の理念や人財を大切にするコアバリューの理解浸透を図るとともに、社員の声を人財マネジメントの進化に活用するため、人財マネジメント戦略・総務部門統括担当役員、人財マネジメント戦略担当役員、人財戦略部長による一般社員との座談会「りあろぐ」を開催しています。2023年は半年間かけ、全国12拠点で約40回、延べ約250人に対し実施しました。「りあろぐ」で社員から寄せられた声は、FAQ形式での全社公開など、人財マネジメント制度の理念・考え方などの理解を深める取り組みに活かされています。
- *「リアルな場」で「リアルに語る」ダイアログの略称
人的資本データの整備・活用・開示
データドリブンな人財マネジメント戦略の立案と実行、運用を通じた改善を実現するために、人的資本に関する定量的なデータ(人的資本データ)の収集、分析、活用に力を入れています。人的資本データは、人財戦略部だけで活用するのではなく、経営や各部門のマネジメントに活用するためのタイムリーな開示、社外への積極的かつ戦略的な開示を通じて、人財マネジメント戦略の嵩度化に向けたPDCAの実践に活かしています。
なお、統合報告書等で示す当社の人財マネジメント戦略を補足する、人的資本データは、以下の「人的資本データブック」にまとめております。