生命保険は加入していると万が一のときに安心です。しかし、自身の加入している生命保険で必要な保障に備えられているのかわかりにくい面もあります。
ここでは、生命保険の保険料払込額の平均や払込保険料に対する考え方について解説します。
生命保険文化センターの「生活保障に関する調査」によると、生命保険や個人年金保険の加入者の払込保険料の平均額は下表の通りです。
平均年間払込保険料 | 平均月額払込保険料 | |
---|---|---|
2007年 | 237,000円 | 19,750円 |
2010年 | 216,000円 | 18,000円 |
2013年 | 207,000円 | 17,250円 |
2016年 | 197,000円 | 16,417円 |
2019年 | 196,000円 | 16,333円 |
上表から、払込保険料は年々減少傾向にあることが分かります。
ここでは、生命保険の保険料の目安を年代、家族構成、収入の3つの視点から紹介します。保険料の参考にする場合には、ライフスタイルの条件が自分と近いケースや、共通点が多くみられるケースを参考にしましょう。
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、世帯主年齢別の払込保険料は下表の通りです。
年代 | 平均年間払込保険料 | 平均月額払込保険料 |
---|---|---|
29歳以下 | 233,000円 | 19,417円 |
30~34歳 | 298,000円 | 24,833円 |
35~39歳 | 380,000円 | 31,667円 |
40~44歳 | 345,000円 | 28,750円 |
45~49歳 | 427,000円 | 35,583円 |
50~54歳 | 483,000円 | 40,250円 |
55~59歳 | 453,000円 | 37,750円 |
60~64歳 | 439,000円 | 36,583円 |
65~69歳 | 338,000円 | 28,167円 |
70~74歳 | 299,000円 | 24,917円 |
75~79歳 | 353,000円 | 29,417円 |
80~84歳 | 295,000円 | 24,583円 |
85~89歳 | 365,000円 | 30,417円 |
90歳以上 | 225,000円 | 18,750円 |
上表のとおり、平均月額払込保険料が高い年代は順に50~54歳、55~59歳となっております。
家族構成別の払込保険料の平均は、下表の通りです。
家族構成 | 平均年間払込保険料 | 平均月額払込保険料 |
---|---|---|
夫婦のみ(40歳未満) | 243,000円 | 20,250円 |
夫婦のみ(40~59歳) | 373,000円 | 31,083円 |
末子乳児 | 345,000円 | 28,750円 |
末子保育園児・幼稚園児 | 413,000円 | 34,417円 |
末子小・中学生 | 403,000円 | 33,583円 |
末子高校・短大・大学生 | 462,000円 | 38,500円 |
末子就学終了 | 459,000円 | 38,250円 |
高齢夫婦有職(60歳以上) | 320,000円 | 26,667円 |
高齢夫婦無職(60歳以上) | 256,000円 | 21,333円 |
家族構成別にみる払込保険料の平均で最も高いのは、家族構成が「末子が高校・短大・大学生」の世帯となっています。反対に、最も低いのは「夫婦のみ(40歳未満)」の世帯となっています。
世帯年収別の払込保険料の平均は、下表の通りです。
収入 | 平均年間払込保険料 | 平均月額払込保険料 |
---|---|---|
200万円未満 | 210,000円 | 17,500円 |
200~300万円未満 | 300,000円 | 25,000円 |
300~400万円未満 | 279,000円 | 23,250円 |
400~500万円未満 | 369,000円 | 30,750円 |
500~600万円未満 | 346,000円 | 28,833円 |
600~700万円未満 | 380,000円 | 31,667円 |
700~1,000万円未満 | 429,000円 | 35,750円 |
1,000万円以上 | 610,000円 | 50,833円 |
上記の表のとおり、払込保険料は収入が上がるほど高い傾向にあります。
毎月支払う生命保険の保険料がいくらになるかは家計にとって重要です。ここでは、毎月支払う保険料に対する考え方について解説します。
初めに生命保険への加入目的を明確化しておくことが、適切な保険料の設定につながります。加入目的を明確にしておくことで、自分に必要な保障を正しく選択できるためです。
そもそも生命保険への加入は、必要な保障を受けるという目的を達成するための手段であり、その目的が達成できなければ加入の意味合いが薄れてしまいます。保険料を安くすることばかりを考えて保険商品を選ぶと、いざというときに本来の目的が果たせない恐れがあるため注意が必要です。
生命保険は商品によって保障内容が異なるため、自分の目的に合った保障が付いている保険商品を選ぶことがポイントです。ただし、保障内容が異なると保険料も変わります。自分が希望する保障がすべて付いた保険商品を選ぶと、想定よりも金額が高くなる可能性があるため気を付けましょう。
固定費である生命保険の保険料は家計の負担にもなりやすいため、充実した保障内容だからと高い保険料の商品を無理に選ぶことは望ましくありません。保険料は保障内容とのバランスをみながら決めましょう。
ここでは、毎月支払う生命保険の保険料を抑えるために、知っておきたい4つのコツを解説します。
一般的に生命保険は保障内容が充実しているほど保険料が上がります。そのため、適切な保障内容を検討することも、生命保険料を抑えるためには大事です。
たとえば、自分の死亡時に妻に遺したいお金が3,000万円にも関わらず、保険金額が5,000万円の保険商品に加入している場合は、保険金額を下げることで保険料を抑えられる可能性があります。例えば医療保険に加入している場合、がん保険などと保障が重複する部分がないか注意しましょう。
万が一のときに家族が生活できる費用や病気やケガの治療費、葬儀費用なども考慮しながら、本当に必要な保障内容を検討してください。
特約は、主契約に付加することで保障内容を充実させることができるため、付加した特約に応じて保険料が上がることがあります。
したがって、不要と判断した特約を解約することで保険料を抑えることができます。特約の保障内容が他の保険と重複していないか確認してみましょう。
ただし、必要な特約を解約してしまうと、万が一の際に保障が不足してしまう可能性もあるため、慎重に検討することが必要です。
保険期間とは、保険によって保障される期間です。保険期間外に保険事故が発生した場合、保険会社から給付金や保険金は支払われません。そのため、保険期間の設定には注意が必要です。
保険期間は単純に長ければ良いというわけではありません。保険期間を長く設定すると保障される期間も長くなるため安心できる期間が増えますが、その分、月々の保険料が高くなるケースがあります。一方、保険期間を短くすると保障される期間は短くなりますが、月々の保険料の負担を抑えられるケースがあります。
保険の種類や契約者のライフスタイルによって必要な保険期間は異なりますので、自分自身に合った保険期間を設定しましょう。
生命保険は大きく「貯蓄型」と「掛け捨て型」の2つに分類できます。一般的に、貯蓄型の保険商品から掛け捨て型の保険商品に変更すると、保険料を抑えられる可能性があります。
貯蓄型とは、毎月の保険料が積み立てられていきます。死亡保険の場合、万が一のことがあった場合に死亡保険金を受け取ることができる点は他の死亡保障の生命保険と変わりませんが、一般的に解約時や満期時にそれぞれ解約払戻金、満期保険金としてお金が戻ってくるものがあります。
一方、掛け捨て型は満期や解約などを行った時に返ってくるお金がありませんがその分、保険料が安くなります。
掛け捨て型保険は、保険料が安いにも関わらず貯蓄型と同等の保障を得られることが最大のメリットと言えます。そのため保険料が高いと感じている方には、保障のみが得られる定期保険や医療保険などの掛け捨て型保険がおすすめです。
死亡や病気、ケガなどをしたときの備えとなるものは、民間の生命保険だけではありません。健康保険制度や介護保険制度によってカバーできる保障もあります。そのため、公的制度の内容を確認し、自分にとって不足している保障を把握することも、生命保険料の節約につながります。
公的保障だけではカバーできない保障のみを民間の生命保険で利用すると、保障が重複し保険料を多く支払うことを避けることができます。
万一のときのリスクを公的機関が保障するための制度として、社会保険があります。社会保険にはいくつかの種類があります。例えば、健康保険は病気やケガの診療などでかかった医療費を国に一部負担してもらえる公的保障です。年齢や収入に応じて負担割合が変わりますが、多くの人は3割負担で医療を受けられます。
他にも、労災保険なら、業務や通勤を原因とする病気やケガをしたときに給付を受けられます。例えば、休業補償給付や障害補償給付などは、労災保険による保障です。
お金が必要となるリスクは生活環境などによって変わります。そのため、生命保険は、ライフイベントがあったタイミングで見直すことが有効です。
たとえば、結婚や出産をしたときは、生命保険への加入や保障額を増やすタイミングに適しています。なぜなら、家族ができたり扶養家族の数が増えたりすると、自分が死亡したときの経済的不安がより大きくなって、死亡保障の必要性が高くなるからです。
一方、子どもが巣立ったときは子どもに対する経済的責任が減るため、死亡時の保障を減らすこともひとつの方法です。保障を減らすことで月々の保険料を安くできます。
必要な生命保険の保障は家族構成や収入、ライフステージなどによって異なり、保障によって保険料が変わります。いざというときに頼りになる生命保険は、保障内容と保険料のバランスを考えながら、自分に合ったものを選びましょう。
(2021年12月作成)
無料相談
オンラインで相談
パソコンでもスマートフォンでも可能
お店で相談